2003-08-07
日々是好日
私がいつも通勤に使っている駅の傍で、月に一度くらいだが、ネクタイをした連中の”お掃除隊”が現れる。
社命なのかどうかしらんが、道の吸殻だとか、空き缶だのをお掃除してくれて、ぱっと見エコなやつらだ。
その高尚な意図はさておき、正直彼らは「通勤の邪魔」である。ただでさえ朝そのあたりは会社に行く人が行きかい、保育園に子供を送りに行く為チャリの前後に子供乗せてるおっかさんがいて、学校に行くヤンキーがいる。
その狭い歩道の一角を彼らはやけにすがすがしい顔で、首から名札(IDカードともいう)を紐で吊るし 掃除にはげんでいる。
やってる事は素晴らしいが。どうせならもう少し時間をずらすことはできないのか?人が見ていないとできないのか?名札(IDカードともいうんだけどな)を見て社名を覚えてほしいのか?
確かに日本では有数の大企業の系列である「目立つ」社章が輝いている。中にはただ仲間とだらだらくっちゃべってるのもいる。はっきり言って邪魔臭いのよ君ら。本当にやる気なら土日に来いよ。ってかはずかしいから名札隠せよ。掃除するのに名札(だからIDカードだ)はいらないだろう。
中学とか高校の頃、名札や校章は「必ず着用し、我が校の生徒であることを誇りとせよ」といった旨言い聞かされてきた。んな誇りに思える学校かよ?とまぁそないな言いつけ守る奴はアホだと思っていたが、きっと「誇り」に思える学校だったら喜んで着けていたのかね、俺も。きっとお掃除しながらIDぶらさげている人も「誇って」いるのだね。よかったね。でもね、じゃまなのだよ。
会社の傍に古本屋がありんす。そこは通りに面した所にも本が積み上げられていて、ダッシュで奪取すれば可能、みたいな感じなのだが、帳場にはぼろっちい”MAC”が置いてあって、そこに「通りの様子」がカメラを通して写されているのだ。
帳場にいる人の良さげなおじいさんは、「これください」と本をもっていくと大抵の場合、机にうっぷして「寝ている」。
声をかけたって起きない。すごく気持ちよさげに寝ているので、私はしばらく彼の傍らにある”MAC”のディスプレイ越しに写る、通りの風景を見ることにしている。確かに、道行く人は誰も本に見向きもしない。これじゃ眠くもなる。マックのおちゃらけたカラーのディスプレイの中で、モノクロで動く解像度の低い風景は横で寝ているじっさまの夢を覗いてるようでもあり。