かなしばり

 金縛りに最近また良くなるようになった。

 私は基本的に金縛り好きだ。結構気持ち良いと思う。だいたいなる時分かるよね、金縛りって。頭の後ろの方がジーーーンとしてきてそれが反芻して段々深くなって
「あぁ来るぞ来るぞ」
と放っておくとそのまま落ちる。この瞬間がたまらなく気持ちよい。

 金縛り状態に入った「後」であるが、歳をとるに連れ金縛り状態の時怖い感じが強くなってきた。若い頃は「やいや気持ちエーなー」でそのまま完全睡眠に入ってしまったのだが、最近は色とりどりの光の中をヘンな目玉やら口やらが向かってきたりする(けして妙なクスリはやってません)。一度落ちると無理に醒ますには結構疲れるもので(「ふんが!」とか叫んでたりする)無理に醒ましたくは無いのだけども後味悪く目覚めることが多くなった。寝るのも体力とよく言うが、金縛りをものともしなかった若さが懐かしい。

 で、
 こういうこと言うと「それは生理現象ではなくて、心霊現象(の方の金縛り)ですよ」と言う方が必ずいらっしゃる。そうだったのか。

 私が金縛りに会う日というのは、実はあるパターンがある。
 1・プールで比較的長く休まず泳いだ日
 2・酒を飲まない、あるいは醒めてから寝たとき
 3・仰向けで寝たとき

 と、いうことは、私の幽霊は、
「プールが好きで、自身は酒が嫌い、そして騎乗位が好き」
なんだと思う。案外好みの人物像だと思う。