葉加瀬太郎氏のコラム

 夜中に蚊に食われて痒くて寝不足です。寝不足で機嫌が悪い上、今日付けの朝刊に産経新聞らしからぬ、スカポンタンな一面コラムが載っていて血圧が上がったのでご紹介したい。

音にやさしい地球環境
新響地 客員ロンドン特派員 葉加瀬太郎

(前略)
 バイオリンにベストだといわれているのは、温度20度、湿度50%の環境だといわれている。カラッとした地中海性気候のイタリア生まれのこの小さな楽器は、何しろ湿度と高温を嫌う。最も苦手なのは梅雨時のじめじめとした天候だ。しかし、温室効果ガス排出量が多い日本の都会では、梅雨から夏にかけての季節は、湿度が高いうえに蒸し暑く、弾き手の僕がどんなに頑張ってもまったくもって、よい音色が出なくなってしまう。
 ましてや、僕の使っている300歳にもなろうというオールド楽器には細心の注意を払わなくてはならない。だから、今の季節、日本で演奏するのに最適な環境をつくろうと思ったら、必然的に人口的な装置に頼らざるを得ない。日本に居るときは自宅のスタジオも24時間エアコンと除湿機をフル稼働にしてきた。
(中略) 今年の6月は梅雨から逃げるようにロンドンに戻ってきた。
 この時期、ロンドンの僕が住む地域では、雨が少なく、カラリと晴れ渡る日が多い。
(中略)
 陽が落ち始めると、多くの公園でオペラや野外コンサートがたくさん催される。澄んだ空気に包まれた音色は風に乗り、どこまでも美しく響き渡る。
 僕が守りたいのは、まさに、この空気と音色なのだ。日本でも、そうした夏の空間をたくさん見つけることができたら、こんなにうれしいことはない。
(後略)
※太字飾りはこちらで付けました。

 というもの。さすが芸術家の申す言葉には至高の味わいがござる。ええい、何と言いかえそうか!!

 どこがどうしてスカポンタンなのかは、いちいち書かずともまぁだいたい読めばわかると思う。

『ただでさえ温室効果ガス排出量が多い日本の都会であえて24時間エアコンと除湿機をフル稼働してイタリア生まれの300歳を飼うこと』を自慢されているのか。
 デリケートな楽器を守るためにはエアコンを24時間稼動させるのが「必然」であり、回りに噴出す温風も、その電力を作る際発生する二酸化炭素も気にならないのだよーん、といいたいのか。
 日本はむしむしして暑いから嫌い。おら涼しいロンドンに行っただよ。ロンドン最高!ということなのか。
 とどのつまり何が言いたいのかさっぱわかんない。
 (温室効果ガスってそもそもなんなのか、温暖化に本当に関係あるんかい、という点は面倒なのでとりあえずおいておく)

 だいたい温暖化しようがしまいが日本で温度20度、湿度50%て環境があまり無いということくらい子供でも知ってる。だから日本にはバイオリンのような楽器は生まれようもなかった。三味線を弾け三味線を。
 ロンドンではこの時期陽が落ち始めると、多くの公園でオペラや野外コンサートがたくさん催される。そうだが、梅雨が明ければ日本にだって日本に合った催しがもう十二分に開かれているだろう。花火しかり盆踊りしかり。日本の夏の夜に屋外で蚊に食われながらオペラなんぞ聴きとうないぞ(や、これは聴きたいという人もいるかもしれん。すまんかった。個人的意見だ。ゆるせ)

 それよりもなによりも、だ。とりあえずこの方の気位の高さはどうだ。嫁さん美人だし。
「お前なんか、お前なんか、ロンドンから帰ってくるなぁ!ちっくしょー」
 と湿度が高いうえに蒸し暑い日本から汗だくになって言いたい。