2008-07-23
セルフバーバー
私は床屋に行かない。(けして私はロンゲでは無い)
なんで行かないのかとその理由を聞かれれば、『自分で切れるから』と答えてきた。
んが、よくよく考えて見るとこれは「理由」というより「結果」であって、ちぃっとも答えになっていないことに気が付いたのだ。
要は、なんで自分で髪の毛を切り始めたのか? である。けして生まれつき自分の髪の毛を切ることができたわけではない。
そもそも普通の人は自分で切ろうとは思わない。あるいは自分で切ってみたらひどいことになって懲りた経験の一つや二つはあり、その結果床屋だのに行くものだ。
自分で切ったことがある人ならわかるだろうが、「鏡」を見ながら切るとろくなことにならない。左右逆のあれを見ながら巧く手を動かせる人はそういないのではないか。まずそこに気が付いた。また、前に鏡を置いたところで頭の後ろの部分は見えない。鏡を二つ合わせ鏡にしてやってみたこともある。でもかえって巧く手が動かせないのである。
「心眼」
そう、想像するのだ。自分の髪の有様を。そして左手で髪の長さを測り、ここぞ、と思うところに鋏を入れるのである。その方がよほど巧く手が動かせることに気付いてしまった。目で見るから迷いが生じるのだ。見なければ良いのだ。
確かに初めのうちは良く左手の関節付近の「ぶよぶよ」になっている部分の皮膚を切り落としたものだ。髪の毛を切る鋏というのは本当に良く切れるので、「スパッ」とその部分が無くなる。ちなみにこれはめちゃんこ痛い。しかし十年もやっていればそういったミスをしなくなるものだ。
そして、全く「見ずに」切り終え、結果を確かめる。如何に自分の想像通りに髪の毛が切れているか、そうでないのか、そうでなかったとしたら一体何が問題だったのか、迷いは無かったか、を反省する。
一度これを経験すると床屋に行って人任せになんぞできなくなるのだ。こんな面白いことを他人に金を払ってまでやってもらおうなんて、あまりにもったいない。
もしひどい結果の場合は? その時は改めてより短い髪型に挑戦するのである。最終的にどうしようもなかったら全て剃ってしまえばスキンヘッドの出来上がりであって、それはそれで構わないといった覚悟が必要なのは言うまでもない。一度やってしまえば二度目以降は怖くは無い(ただし周りは怖がる)。私は免許証の更新の時期これをやってしまって、なにかと証明に必要な時に「免許証を拝見できますか」と言われて差し出すたび反応が面白くてしかたなかった。(ちなみにスキンヘッドってこまめに剃らないとすぐ伸びてさわやかな高校球児になるから大丈夫)
ホント面白いから一度やって見ることをお勧めする。床屋に行って「もみ上げどうしますか」とか聞かれて「んなもん好きにしてくれぃ」と思ったことのあるあなたや、鏡を後頭部にもっていかれて「このような長さで結構でしょうか?」などと聞かれて、後頭部のハゲが目に入ってしまい「全然結構じゃないよぉ」、と思ったあなたなら、きっとセルフバーバーに向いている。
ただし結果がどうなっても一切自己責任で。あと調子に乗って自分の耳はおろか頚動脈とか切らないように。死んだりするから。
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