2009-02-16
なんまら(ごっつ)久々に髪の毛を切った
切った。半年振りくらいに。なんでそんげに切らなかったのか。話せば長くなるのだ。
昨年の晩夏、転職をした。それは何度か書いているから省くが。
新しい職場に「Mさん」というナイスガイが居る。
Mさんは昔いわゆる「ビジュアル系バンド」のドラマーだった方で、バンド名を聞けば「えーー、嘘、マジ?」と言われるような当時はメジャーなバンドのドラムをやっておられた。ウィキとかようつべでサーチしても出てくる。昨年夭折された女性シンガーのネームの元となったバンドである。(ここまで書けば知る人は分かるだろうからもう書かない)
そんなビジュアル系なMさんと職場が一緒なのである。営業に行くとき電車に乗るだろう? すると、どうだ。周りの婦女子の視線は私の隣の彼に釘付けだ。私は「空気」か「付き人」どころか「そのへんに落ちている空き缶」以下である。全ての視線がスルー。未だかつて無い感覚。そんなMさんはもう「生まれた星が違う」感じ。男の私が見ても「あら、可愛い」と迂闊にも思ってしまうのだ。だって「尻」からして小さすぎだ。(私は尻が小さいのが案外自慢だったのに。もう二度と人前ではいえない) こんな不可思議な生き物が身近に居るってだけで奇跡なのに、Mさんは双子である。え!?こんげのがもう一人いるんかぃ!(もう一人のMさんは元ギタリストである)もう嫌になるし。(うちの嫁やら娘は一度連れて来て見せろとうるさい)
しかも、Mさんは私より年上なのだ。ここがポイントだ。(笑) 年上ってなんだそりゃ。どう見ても5つは俺の方が老けて見える。(すみません、嘘つきです私。10は老けて見えます)
自分は案外若作りと思っていたのだが、まるきしかなわない。なにしろクライアントに大学があるのだが、その大学に行くのに「通学バス」があると思いねぇ。それが「職員用」と「学生用」に分かれているんだけれどもさ、Mさんが仕事だから「職員用」に乗ろうとしたら、運転手に
「学生さん?これは職員用なんだから学生は乗ったら駄目だよ!」
と怒られたんだそうだ。そん時Mさんは「すみません、仕事なんですけど」と言って、なんとか乗してもらったそうである。くっ……可愛いじゃねーか、くそう。(あ、すいません先輩に向かって)
重ねて言うが、Mさんは私より年上だ。ちなみに私は今年44歳だよ畜生め。学生だったのは四半世紀前の話だよ。携帯電話もエンターネットってがんも無かった時代なんだぞ。文句言った運転手にMさんは黙って免許証を見せてあげれば良かったのだと思う。もしかしたらバスの運転手の方が若いんじゃないか?。
その話を聞いて、私も「何か言われるかな?」とわくわくして(すな!)そのバスに乗り込んだんだが、ふつーに営業笑顔で
「お疲れさまでーす」
といわれた。
当たり前か。当たり前だな。そらそうだな。くそ。
閑話休題
そんなMさんは「ロンゲ」である。いつもサラサラなんである。しかも、
「あ、これ?ヅラですから~」
などと言う。皆和やかに笑う。ふふふ。フ~……。もし同じこと私が言ったら職場が凍りつくに違いない。
で、私もなんというか、死ぬ前に最後にもう一度「ロンゲ」になるまで伸ばしてみようか、と思ったのだ。去年の夏にな。それから切らないでいたのだ。
そう、私だってロンゲだった過去もあるんだ。そんときのあだ名が「ドリアン助川」だった過去などすっかり忘れていたかった。
そして半年が経った。
だめなのだ。どうしても前髪が眉毛にかかるまで伸びないのである。「フワサッ」と「前髪を手ぐしでかきあげる所作がアウフヘーベン」っちゅうより「むしろ封印」。もう少し我慢、もう少しだけ我慢と思ってきたのだが、ついにあきらめの時がやってきたようだ。もうロンゲにはなれないのだ。あぁ。で、なんちゅうか衝動的に刈りまくったんだ。どちくしょーーー
し、か、も。先月毛染めしたから坊主刈りにしたら「さぞ霜降り頭」になるかいな、そしたらまた染め直さなきゃ!と思っていた懸念(ちゅうよりもほのかな期待)をものの見事に吹き飛ばす「真っ黒なお毛毛」。
ちぃ~~~とも伸びとりゃせんがな!こ、このっ、なんて不甲斐ない前髪!!。
切った後会社に行ったらデザイナーのUさんに「なんか若返りましたね!」と言われて微妙に喜んだ俺。そうか。切った方が若く見えるか。でも続けてUさんは
「横から見ると」 と言った。 ……前からじゃだめなんだ。そうか。もういつも横向いて歩こうと思う。
もう、毛に夢を託すのは終わりにしよう。一つの青春が終わったと思った2009年の春。きっと忘れないぜ。