2009-07-18
題名が思いつかん
遅く帰った日、家族は寝静まっているのだけれど、戯れで嫁にチュウをすると必ず嫁は必ずうれしそうに「ふーん」と言う。
多分嫁は覚えてはいない。起きている様子も無い。
イントネーション的に「おかえり」でもなく、「あらぁ」でも無い。「ふぁーい」みたいな感じに近い。呼びかけられたから返事したまで、といった感じだ。
嫁と付き合い始めて暫く私は嫁の家に寝泊りする貧乏カメラマンという、まぁ分かりやすく言えば「rope」?(ヒモとはっきり言え!俺)みたいな体たらくな日々を送っていたのだが、当時から熟睡していると信じてちょっかい出すと必ず「ふーん」と返事をした。なんだろうか、この無防備さは。良く分からないが若い私はこれを「育ちの良さ」と感じてしまったのだ。(もしかしたら間違っていたのかもしれない)
もし、これがこの「ふーん」でなくて、「あ、お帰り」とガバッと起きてこられたり、逆にチュウした途端バシッとうざったげに寝返りを打たれたりしたら(多分俺はそうする)、この女とは結婚しなかったのではないか?と、最近頓に思うようになった。
半分無意識の状況でこういう受け答えが出来るという事に、なにか決定的に自分に欠けたものを感じたのかもしれない。いや、そんげ偉そうなことではないな。単にくそくたびれて帰ってきたとき、負担をかけた気にもさせず、邪険にもされず、無条件で「ふーん」と言ってくれる人がいると良いな、と。ただそれだけだったのかもしれない。
最終的に結婚するというところに行き着く要因というのはこの通り、案外下らない小さげな事だったりする。でもそういうのって、一緒に暮らさないとわからんのだなぁ。
なんでこんげ似合わないことを書いているかと言うとだな。娘に彼氏が出来たようだ。ついこないだまでお漏らしして泣いていたようなのがこれだもの。中学生ともなれば色恋の一つや二つ……人のこたぁ言えないのでしょうがねーのだが、せいぜい修行してもらいたいもんだ。てか娘の挙動不審が案外面白半分腹立たしい今日この頃。
男ってのは女と違って言葉に対して耐性が低くて非常に傷つきやすい生き物だから、そのあたりをうまく扱って欲しいですな。女って小さい頃からすごい口の悪い喧嘩に慣れているでしょう?でも男の場合、口で罵り合いったり・いくら「話せば分かる」ったって・いくら奇麗事並べたって、最終的には力勝負がどこかに影響を落す中で決着を付けて行かざるを得ない生き物なんだ、という点、な。そこは分かってほしいな。これはな、国家間とて同じだから。力の行使云々は別として。