2010-04-20
アクセス数と効果
仕事ではないのだけれど、頼まれていくつかホームページを運営している。いわゆる「道場」の類のサイトなのですが、一応アクセス解析などしていて、それを見るに付け「悲しく」なるのです。
日に10セッション前後なんてのはザラで、時には「誰も来ない日」というのがチラホラ……。
どうにかアクセスを上げなくちゃ、(一応こっちはしょぼいがウェブのプロなんだから)と思っていろいろSEOとして「良い」と言われる施策を施してはいるのだが、アクセスは増えない。
けして検索結果の上位に出てこない、というわけではない。結構上のほうに出ているんだなこれが。一時的に「本部道場」のサイトより上に出ちゃったことがあって、支部道場の身分でこれはまずい、と「逆SEO」を施したりいろいろめんどくさい。ようするにSEOとしては成功しているわけだ。
なのにアクセスが少ない。
ところが、道場の経営者からは「ホームページを見て来ました」という人が増えて助かっている、と言われる。実際入門者の手続きの紙を見ると「ホームページを見て」という人が殆どだったりする。むしろ今以上に見学者などが増えたらかえって大変かもしれない、とさえ思う。ホームページの効果としてはこんなもんでいい、ともいえる。
仕事で商業ベースのサイトのアクセス状況を見てきたから、日に3,000セッションあってようやくトントンとか、100以下なんてのはサイトが存在しないも同じ、といった感覚に陥っていたが、これは非常に思い上がった考えであった。考えてみれば一地方の道場に通える距離に住んでいる人は限られている。ウェブは世界中に発信できるけど、北海道の人が東京の道場に通うわけにはいかない。
道場というのはビルを借りて経営しているような場合を除いて、大抵公民館やら福祉会館やら中学・小学校の体育館を借りて細々とやっている場合が殆ど。何時どこで何をやっているか?というのは案外分かりにくい。というか殆ど不明。行政のホームページに行けば紹介文くらいは見ることができるけど、道場の雰囲気まで伝えることは不可能だ。だからホームページがあると無いでは認知に相当の差が出てくる。たとえ日に10人程度しか来なくてもマッチング率が高いわけだ。
この時、SEOの目的としてアクセス数ばかりを求めてはいけないようだ。例えばビックワードで上位に表示されたほうが当然アクセス数は増える。でもそれが道場入門者数に直接繋がらないことの方が多い。先に書いたとおり、道場に通える範囲に住んでいる人でなくては見にすら来れない。ビックワード(例えば武道だとか、空手だとか)よりも、「より流派に即した、知る人ぞ知る単語」プラス「地域名」での検索で上位に出た方が双方のニーズにぴったりと合う。
もう一つ大事なこと。ホームページを見てくる人のうち、「転勤や就職でここに引っ越してきた」という人の割合が非常に多いということ。
考えてみれば当然の話で、新しい土地に住むのだから前々からその土地の事を知りたいと思う。普段コンピュータに慣れている人なら当然ホームページでいろいろ調べるだろう。
つまり道場のホームページ立ち上げ初期段階でまず狙うべきターゲットは「近々越してくる人、最近越してきた人」なわけだ。その人が経験者かとかそういった事はともかく、新しい土地で何かしらやりたい、と思っている人、もしくはそう思わせること。だからSEOとして「地域名」での上位表示は絶対欠かせない。
地元に永く住んでいる人には他に情報源、口コミもあるが、全くそういうつながりの無い、この土地の新参の人に向けてのアピールなんだ、という意識があると無いとではページ作りもかなり違ったものになってくる。(で、これって道場に限ったことでなく、例えば個人でやっているピアノ教室だとか、塾、日舞、ダンス、などのお稽古事全般に当てはまるような気がする。)
ページの内容的に地元の人のコミュニティに凝り固まりすぎると、せっかくの潜在入門者である「新参者」をかえって拒否してしまう結果にならないよう注意が必要だと思う。引っ越してくる人というのは、仕事やその土地の新参者として普段以上にストレスを感じているわけです。そういった人がターゲットだとすると……うーん、ちょっと作り直した方が良い部分も見えてくるなぁ……
皆さんの周りで道場や教室のホームページ作りたいという方がいましたら、ご相談下さい。お勉強させていただきますので。