いらぬ誤解のエレベーター

今日、知人の葬儀に出かけた。アパートのエレベーターに乗ったら、途中の階で介護士さんが乗ってきた。うちのアパートはご老人が多いのでいろいろな施設から介護士さんが来ている。

二人で降りていくとまた別の階で止まったのだが、乗ってきたおばはんが「!」と我々を見比べて(あら、もしかして……)という表情をしている。私は当然喪服を着ていたわけであるが、組み合わせ的にいらん誤解をうんでしまったようだ。

さらに別の階でも止まり、そこで乗ってきたおばはんも「!(あら!)」という顔をした上、さっき乗ってきたおばはんと何やらアイコンタクトをしはじめている。(何階の人かしら?)(ほら◯階の◯◯さん最近弱っているって聞いたけど)(あら~)てな感じか。

いかん。完全に誤解されとる。

「いえ、これはその、違うんですけどね」と言いたかったが、単に介護士さんと乗り合わせただけで言い訳するのもかえって面倒になりそうなのでそのまま黙っていた。一階についてさっさとエレベーターを降り、介護士さんと私は関係ありませんよ的に小走りになったら、どういうわけか介護士さんも小走りで付いてくる。たぶん介護士さんは介護士さんなりに忙しかったのだと思うが、空気嫁!。振り返れば我々を遠巻きに見てなにやら話しているおばはん二人……なんだか妙な感じになってしまった。

今頃◯◯さん死んだことになってるんじゃまいか。だいじょうぶですよ~きっと元気ですよ~