福島県という括り

今回の原発事故で農産物などの出荷において福島県の人は非常に大変な思いをしていることと思う。

特に会津や中通りの出荷物も「福島産」という括りになってしまう。中通りとか会津って、私らは身近だから知っているだろうが関西の人なんてなんのことやら、わからんだろう。外人が「日本は中国大陸の中にある」と思っていたってしょうがないのと同じで。福島の会津産と書いてあれば即座に原発事故の影響はとりあえず考慮する必要は無いと思えるが、会津がどこにあるか分からない人にとっては「福島」の名だけが頼りになってしまう。

実際東京にいる人に「会津」と言っても即座に何県かさえ出てこない人がいる。

福島県の大きさは約13,782平方キロ。海側から

  • 浜通り」文字通り海沿い。いわき市・相馬とか。原発のあるところ
  • 中通り」新幹線の走っているところ。白河・郡山・福島らへん
  • 会津」猪苗代湖と山と温泉、酒。白虎隊、野口英世、京都守護職

と大まかに別けられていて、福島のテレビの天気予報などではこの3つの地域ごとに予報がされている。歴史的に見れば福島の西半分は「陸奥國岩代」東は「陸奥國岩城」。往時の境目あたりを縫うように新幹線が走っている感じである。

これが今でこそ福島という括りで一つにまとまっているわけだが、例えば新潟県民が上越と下越を一緒にされたらなんか納得行かないだろう?上越と下越の場合は海あり山あり米ありで地勢は似ているが、会津と浜通りの違いはこんなもんではない。まるで別の国だ。

仮に千葉の房総あたりで今回のような事故があったとする。千葉産のものは避けたいと思うだろうが、神奈川や埼玉産ならまぁ大丈夫だろうと思う人も多いだろうと思われる。都道府県という括り、県名が人にもたらす印象は大きい。一方でその大きさを素直に頭に浮かべられる人は少ない。

福島県は東京都の6.3倍の面積を持っている。東京小さ!

東京、千葉、神奈川、埼玉の面積を合計すると約13,555平方キロになる。これでも福島県より少しだけ小さい。

福島県をそのまま関東にレイヤーさせると、
浜通りが千葉
中通りが東京と神奈川
会津が埼玉だ。