2012-03-19
TIME/タイム(映画)
ガタカの監督だってから、もー思いっきり期待感満載で見たのに……なんつーか、残念な気持ちで一杯になったのは何故だろうか。
テーマはすごく革新的で本当にアイデアとしてはおもしろすぎる。金=寿命の世界と聞いても「今の日本だってそうじゃん?」ってぇところを、本当に貨幣経済をDNA操作によってそのまま本当に寿命に替えちゃった世界。コーヒーが寿命10分とかさ、ホテルが1ヶ月とか命で支払う世界。寿命本位経済の実現。金(でなくて残りの寿命)が足りなかったため金貸し(寿命貸し)の店までタクシーもバスも使えず「走る」必要がある世の中、走って走って途中で金(寿命)が尽きたらその場でお陀仏な世界の話。
スラムの人は一日一日文字通りその日暮らし。毎日走りまわる。数日分の寿命を奪い合って殺し合いもしている。一方高級住宅地区に住む人達の持つ金(でなくて寿命)は数世紀。
面白いけどあまりに突飛といえば突飛な設定であり、そこに引きこむ「前過程」が描ききれていないから、観客は「??」なんでこんな社会作ったのさ??となかなか入り込めない。もうちょっと長編にしなくちゃダメなんじゃないのかなこういうのは。
ガタカの世界レベルであれば、実際そういうこともあるだろうね、と少しは入り込みやすいのに、前編の説明がガタカと同じくあっさりしすぎている。それよりなにより問題!主人公!なんであんたはそんなに強いのよ。スラム街の工員というより軍隊経験者?と言う感じ。ちょっと違和感ある。なんか途中からストーリーが「俺たちに明日はない」に変貌してしまうし。まぁいろんな意味で B 級 SF 感満載な映画だ。
でもな、とりあえず、ヒロインはコケティッシュ(死語)で非常に可愛いぞ。特に ♥オパーイ♥ らへんが可愛い。それだけでも見る価値はある。あと、最後にぎりぎりで一日分の寿命を手にした主人公が
「充分ある」
と言うセリフがあるのだけど、これだけで読後感というか見終わった後の感じはけして『悪くは無い』です。B 級 SF ファンは、ぜひ抑えておいていただきたい。