2012-08-16
もたない男
暇つぶしに本屋に行ったら「もたない男」という本が置いてあり、手に取った。しばし立ち読み、漫画家の中崎タツヤ氏の「モノ無し生活」ぶりが面白く、ぜひ購入したいと思ったのだが、モノもたない事の面白さを知るのにモノを持つ(この本を買う)のは、筆者の哲学、主義主張に反する気がしたので、あえて立ち読みで済ます事にした。
しかし、立ち読みを続けるうち、どうも、筆者は「持たないこと」より「捨てること」のほうが好きなだけ、ということが分かってくる。買っては捨て、買っては捨てる。究極の贅沢・物欲に塗れた、羨ましい生活、なのではないか?
そして、モノがあろうと無かろうと、一番つまらない事は「買うことも出来ず、従って捨てることも出来ず」な状態であることに改めて、痛烈に気付かされるのだった。
ある意味、非常に嫌味な本である。流石は私の大好きな”じみへん”の作者、パンチが効いている。
この本は
「買って、ムカついて、捨てられる」事
が筆者の趣旨に最も近いのだろう。
と、気づいた時には全部流し読んじゃった後だったんでやはり買わなかった。
ごめんなさい、つくづく買わなくて良かったと思う。