はじめに

「新潟語は難しい」と普段から感じているあなた。
「急に新潟へ転勤の辞令が出たが、言葉が通じるか不安だ」というなあなたも
「新潟語は小学校から高校まで7年も習っているのに少しも上達しない」というあなたも
「デフォルトで、新潟県人のはずなのに、どうも違和感を禁じえない・・」とゆー君も
ここに来れば、すぐに「ネイティヴ」な新潟語が理解できます(野望)
かといって、鵜呑みにすると、手痛いしっぺ返しをくらう事が、稀にあるので注意します。

» 当講座受講にあたっての諸注意

あいうえお は あえういお

この場合の「え」に当たる「い」は、限りなく「え」に近い「い」と覚えましょう。 同時に「い」にあたる「い」は限りなく「え」に近くなりがちです。この違いにおける明確なセオリーがありません。
というか分かりやすく言えば、新潟国民は「え」と「い」の違いをあまり「気にしません」

–使用例 —
「公園」=「こういん」
「エレクトーン」=「イレクトーン」
「色鉛筆」=「えろいんぴつ」
「いろはにほへと」=「えろはにほへと」

注意点
文章に書くときも、発音に忠実に「イレクトーン」と書くのが、 正しいネイティヴ新潟人です。

でも、いんぴつ位は漢字で書きたいところです。

語尾上げ言葉厳禁

最近の若い人はともかく、正しい新潟語は基本的にアクセントが前。
例::「たご」→「まご」 「こども」→「ども」
このように、関西系のイントネーションです。 関東の人には難しいかもしれません。

が行に鼻濁音は使わない

美しい日本語とやらは、忘れましょう 。
というより、まず、鼻濁音などと言うものは上方のおしつけ、幻想にすぎません。 京都や奈良や おフランスのような「古都」に住むならともかく、 ニューヨークや新潟といった近代国家には必要の無い概念です。

語尾のダ行ザ行はラ行に変換

–使用例–
「なぁ、ホテル行こうぜ」=「なぁ、ホテルいこーれー」
「おおっ、これ、すげ`ぇぜ」=「おおっ、これ、すげぇれー」
「やだ」=「やら~」

注意点
「れー」と語尾を伸ばすと、よりネイティブっぽいです。
間違った使い方
「だるま」≠「らるま」
「だめじゃん」≠「らめじゃん」←正しくは「だめらねっか(高度な言い回し)」

豆知識

「~だ」の変遷 私達が日常よく使う「~だ」 (関西では「~や」九州では「じゃ」)は、 平安時代の「にてあり」が語源だそうです。
これが「であり」→「である」と変化。 室町期に「であ」となり、(であ?) その後、東日本と、山陰で「だ」 西日本では「ぢゃ」となりました。 江戸末期に京阪で「や」が登場しました。
参考文献:井上史雄「日本語ウオッチング」-岩波新書刊
新潟では「~だ」を、「ら」や「らて」「らてば」と言いますが、 いったいどこでどうやって生まれたんでしょうか・・・ どう考えても、この系譜から、外れているような・・。

なじらね

まぁ、あいさつですな。英語では how are you。
大阪では「もうかってまっか?」と同義。 なじら?と縮める場合も多い。

そろっと

ゆるく、弱くの意味 「がっと」の反対語ですか?。
そろそろ(行くか)という意味で使用する方が新潟語としてはよく使われるとのご意見もありました。
「よろっと」と変化する場合もあるそうです。だからなんだ?という気もしますが。もしかしたら初級編で学ぶには高度すぎるのかもしれません。

がっと

「きつく」、「強く」、「勢い良く」あるいは「乱暴に」 の意味
沼垂より東方面(旧新発田藩管轄)で 主に用いられる単語 であっるのだが 驚いた事に、「落とし穴」の意味で使う地方もあり。

だっちもね

いったいこんな言葉使っている奴いるのか?
ラテン語的未確認言語
意味は「粗」「つまらない」にあたる らしい・・・
恐らく、「だっち」と「もね(~もねぇ、~も無い)」
とに分けられるのか?そうなのか? じゃぁ、「ダッチ」って、何?!
―使用方法―
〇「だっちもねがんらろも」(つまらないものですが)
×「だっちゃん、頑張って、今夜は焼肉よ。みなみ」
×「だっちワイフ」(粗末な妻)
実は山梨県とかでも通じたりする・・・

1:「物」2:「者」3:「事」4:「下」5:「驚き」6:「吐いた時の音」等に使う

がん

1:「物」2:「者」3:「事」4:「癌」5;「驚き」6:「ぶつけた時の音」 等に使う

だっけ、らすけ、だすけ

「だから」の意 「ら」は、「だ」の意。
~だすけ、と言う地方は意外と多そうなので、とっつき易い新潟語と言えます。
「だっけ、言ったろがやぁ」=「だから、言ったでしょ」
「らすけや~、そーじゃねぇんらてば!」=「だから、そうではありません」
などと、気軽に使います。

そんつぁらがん

「そんなこと」の意 よく、埼玉あたりて”そったらこと言うもんじゃねェ”等 と言いますが、(いわないか) プレ新潟語(長岡語)で、 ”そんつぁらこと”と言います。
そして、ネイティブになりますと、「そんつぁらがん」となります。 また、さらにこれが崩れてゆくと、 「そんげ」となります。
―注意点―
上でも述べましたが、「がん」も「げ」も 鼻濁音を使って上品に言ってはいけません。
喉の奥から、つばが飛び出るが如く、挑発的に発音しましょう。

まず

では、じゃーね、またね等と同様、お別れの挨拶。
新潟市内でも、場所によって、微妙に言い方が違う様です。
新潟島内(中心街)ではあまり言いません。 沼垂、東新潟では「まず~」 南に行くほど、「まずまず」と弐回繰り返しましょう。 さらに南方では、「まんずまんず」と「ん」を間に入れる様にします。
―注意点―
目上の人に使うと、怒られます。 間違っても、 商談の時等に使ってはいけません。 かといって、若ぶって若い衆に使っても、 最近の若者はあまし使いませんからおやじに見られるだけです。

げっぽ

広く新潟語圏で使われていても、圏外の人にはまるきり 意味が想像つかない かなりいけてる新潟語。
意味は「びりっけつ」つまり、最下位の事
「なんらぁ~?自分、げっぽらねっか」
=「なんだい、君、最下位じゃないか」
などと使う。

ぜぇごもん

「田舎者」の事 ぜぇごのしょ、とも言う。
ぜぇごってのは、まづ長岡方面で{在郷}が、 訛って「ざいご」 さらに、 信濃川を下り進化するにつれて、さらに訛って、 「ぜぇご」 となった模様。
参考文献@NG!様「げっぽをねらえ」
ちなみに、新潟市内の人間の殆どは、 この「在郷」が元の意って事を忘れてしまうほど進化している。

じみ

「みみず」の事

えんぞ

「どぶ、どぶ川(側溝)」の事
「ドブ」と今はされていますけど、 元々は「用水路」田んぼに水を送る水路のことです。
東京は八王子(基本的に山梨訛り)あたりでは えんぞの事を「みぞ(溝)」といいます。
みぞという音は、みず(水)からきたものとのこと。 他に、この用水路を、えご、えがわ、えごた、いみぞ、えみぞ、 等と土地によって色々な呼び名があるようです。 東京中野区にも「えごた(江古田)」っつー地名があります。 恐らく、えんぞも「えみぞ」の流れだと思われます。
むりやり漢字にすれば 江溝、あるいは江水か? どうでもいいか!

~らろー、~られー

それぞれ「~だぞー」「~だぜー」の意
しつこいようだが、ダ行はラ行の大原則は崩れません。
また、「~らろー」には、~だろうの意で使われることもあり、難解です。
―ちょっと、レアな使用例―
「まずらろ~」=「さようなら」
「今日は休みられー」=「今日はやすみだずぇーい」
「これー、これれいいんらろっか」=「これは、これで良いのだろうか」

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