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うなぎの捌く向き

松阪でうなぎを食べた時の写真を見ていてふと気づいたんだけど、これって……

背開きだよねぇ。(頭残しは関西風だが)

わたしゃ「浜松から西は鰻は腹開き」と聞いていたんだがな。良く、「関東は武士の社会だから切腹を思わせる腹開きを嫌った」って言うじゃない?。逆に関西は「腹を割って話す」商人気質から腹開き」とか。なんだかまとまりすぎてて嘘っぽいとは思っていたんだ(ひねくれ者)。だってさ、干物とかの魚の開きは普通腹開きが多いのに、鰻だけどうこう言うのは妙でしょう?

どうも、「腹開き」するのは西日本というより京都大阪が中心らしい。九州は背開きが一般的だそうだ。なんだそれ。フォッサマグナから西は「甘口醤油に腹開き」というのは嘘なのかやっぱ。

なんかいろいろフォッサマグナらへんから文化が異なるという固定観念があるけれど、方言にしろ何にしろ東西でくっきりしてるのは電気の周波数くらいなもんで、実際は関西を中心に同心円状に変化している文化の方が多いと思う。北陸と九州の方言て遠いようで近いし。

聞けば、松阪(というより)伊勢では背開きの店が多いらしい。しかも「蒸す」ってさ。でも串刺さない。(全部が全部というわけではありません)。九州は背開き蒸さない串刺さないのが多いそうだ。

こういうヌメヌメ魚(穴子とかも)の捌き方としては背開きの方がとっつきやすいそうですから、初心者は背開きからトライする方が良いらしいぞ。腹開きは少し難しいと。ただ背開きも内蔵を傷つけて「苦く」なっちゃう場合があるから気をつけろと。

うなぎの蒲焼きという文化が関西から関東に移ってきた時、(当時)上方の上品で洗練された料理人は手際よく腹開きしていたのがだんだんメンド臭くなったんでしょうか。それもあるかもしれないけど、関東は「蒸す」でしょう?なんでムスカ?ちゅうと蒲焼のファーストフード化を目指した結果らしいよ。江戸っ子は短気だから、注文して四半時も待てねぇってか。蒸しといて、注文が来らタレ着けて直ぐ出せるわけで。

伊勢の鰻も、お伊勢参りで賑わった時期、たくさん来るお客をさばくために蒸すようになったという感じか(くどいようだが店によって違う)。

焼いた時、腹開きだと「くるくる」って反ってしまうし、焼き上がりがなんとなく「歪んだ感じ」になりがちだそうな。(勿論高級なお店は職人技でキレイに焼くのでしょうが)。でも関西の人は鰻は出てくると「ご飯にまぶしてぐっちゃぐちゃ」にして食べるでしょう?名古屋も「ひつまぶし」ってハナッからゴチャマゼにするし。だからもともとあまり焼き上がりの姿にこだわらないのかも。

関東風は蒸す。蒸すと柔らかくなるから、腹開き(腹に刺す)に刺した「串」が抜けてしまったり、身が崩れやすいが、背開きだと背中の硬い肉に刺すから抜けにくい、くずれにくい。背開きだと焼いた時の「くるくる」が少ない。歪みが少なく見た目綺麗に焼きやすい。ご飯に混ぜないで食べる関東にはこっちが向いている。

てことで「武士の切腹云々」はガセビアとまでは言わないまでも、「後付」だと、勝手に認定したい。

実は私、高校生の時、うなぎも出す寿司屋でバイト中、この竹の「串打ち」をやったことあります。難しいとは聞いていたがここまで、ってくらい難しかった。3年とまでは言わないがそこそこ打てるまで1-2年はかかると思う。

関西は金串らしいですね。知らなかったよ。金串は刺しやすいが抜けやすいから蒸すには向かないだけでなく、「長い」から、「蒸し器」に入れると邪魔臭い。(短い金串使えって?そんなもん熱くて持てなくなっちゃう、鰻をひっくり返っせないだろう?)で、関東では刺しにくいけど抜けにくくコンパクトに場所を取らない竹串になったとの由。

ちなみにどっちが美味いか?ってのは「個体差」「料理の腕」だそうです。あたりまえだ。

てなこと書いていたらまた鰻食いたくなってきたぞ。