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質草のチャリで伊勢参り

小学校の高学年の頃、松阪から伊勢神宮まで親父と一緒にチャリンコで出かけた、という曖昧な記憶がある。

尻をずらしてつま先立ち、これでやっと足が着く自転車に乗って行った(逆にこの高さが案外漕ぐのに最適だったのか)。ただっ広い田んぼの中を伸びる埃っぽい道、時々出てくる「伊勢まで20km」という青い標識の数字が、走るにつれ少なくなるのが楽しかった事を覚えている。自転車は大きくて重かったが、一度走り出せばあとは漕がなくても惰性で進んでいく感じがして少しも疲れなかった。

その時乗ったのはいわゆる「実用車」というやつなんだが、なんで親父と私の乗ったのと二台も実用車があったのか(婆さんは自転車に乗らなかった)が不明。考えて見ればおかしな話で、もしかしたらこれはなんか夢でも見たのを現実だと勘違いしていたんではなかろうか、と最近は思い始めていた。そういうのって結構あるんで(笑)

松阪~伊勢間は片道25km位。小学生で足の着かない自転車で本当に行ったのだろうか結構怪しい。高学年と言ったって、6年生では無いことは間違いない(だったら絶対自分で写真を撮っている)。良くて5年生、もしかしたら4年生くらいの話だ。

で、今回松阪に行った際親父に聞いてみた。

親父もさすがに覚えていないだろう、と思ったら、あっさりはっきり覚えていた。確かに松阪から伊勢神宮まで行って、何するわけでもなくまた帰ってきたらしい。いわゆるポタリングというやつだ。時期は「春休み」だったそうだ。となると4-5年生の間の春休みなのだろうか。で、その時なんで自転車が二台もあったのか?と聞いたのは母親だった。私もそれを聞きたかったんだが、親父が言うには、あれは「質流れ品」だと。

そうでした。実は私の爺さん、会社退職後「質屋」をやってました。すっかり忘れていた。それもあるが、自転車を質草にする、という感覚を失って久しい。でも35年くらい前までは実用車といえば一家の大事な財産だったのだよな。

多分、伊勢参りが目的では無く、なんとなく行けるところまで行ってみようか?的なノリだったのだろうと思われる。出たのは昼過ぎだったはず。ところが走ってみたら▲ご覧の通り「高低差」が殆ど無い道のりであるし、埃っぽかった記憶からしてあまり風も強くなかったのだろう、引き返すタイミングを測りかねていたら神宮に着いちゃった、という感じだったのだろう。

松阪の家に戻ったのは日が暮れて間もない時間だったことを思い出した。

よくよく考えてみたら、新潟~東港くらいの距離感だ。中学の頃ちゃりであの辺まで釣りに行く奴いたな。